『最後の授業』のこと | ホビットの読んだ本

『最後の授業』のこと

http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~kwatanab/daudet.htmを見ると、最近は『最後の授業』は教科書に載っていないそうです。1981年『ことばと国家』(田中克彦)によって追放されたようなことがかいてあります。

しかし、1960年代終わりに高校生の頃、「臭い話」という共通認識があったと思います。そのときの批判点は、

・そもそも、アルザスが直近にフランス領になったのは1697年でローレーヌは1776年(昭和43年版山川出版『世界史小事典』)
・ドーデの原作では、フランス語がかれらの母語でないことは隠していないのに教科書では変更されている。

偕成社文庫『最後の授業』(1997年初版)では、「フランスのことばを話すことも、書くこともさっぱりできないじゃないか。」とあるのですが、岩崎小学生文庫版(1982年初版)では「フランス語を読めも書けもできないじゃないか!」と「改竄」されています。教科書でもこれが行われたと批判されたと記憶しています。

なんて、うちのかみさんと話していたら、「そもそも主人公がフランツで胡散臭いと思った」そうです。まあ、高校生くらいになったら、ドイツの名前とフランスの名前の区別くらいつきます。

色々調べないと。